Sarmaticus

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キングダムカム・デリバランス 2019: トロスキ城編

Kingdom Come: Deliverance in 2019, Trosky Castle

はじめに

このページはキングダムカム・デリバランス (KCD; Kingdom Come Deliverance) の一人のファンが作成した非公式・非ダウンロードコンテンツ第1弾である.
2019/5/3 に私が訪れたトロスキ城 (Hrad Trosky; Trosky Castle) を紹介する.

なお繰り返すが, 私は Warhorse Studios の関係者でも DMM Games の関係者でもない.

2024/4/19追記: KCD2の発売が発表された. トレイラーにもしっかりとトロスキ城の姿が映っている. というわけで, この記事はめでたくKCD2最速聖地巡礼記事となった.

www.youtube.com


プラハからの道のり

トロスキ城の写真だけ見たい人は飛ばしてください

チェルニー・モストのバスターミナル

駅の前で行われていたフリーマーケット?

プラハ市内から地下鉄で郊外のチェルニー・モスト (Černý Most) へ行く. ここは地方行きの長距離バスのターミナル駅がある. バスはハイウェイを走り, ムラダー・ボレスラフ (Mladá Boleslav) に到着する. ここにはチェコ国内有数の自動車メーカー, シュコダ自動車 (Škoda Auto) の本社工場があった. バスもその前を通った.

シュコダ自動車の本社工場

終点のトゥルノフ (Turnov) 駅. バスターミナルとチェコ鉄道 (ČD; České dráhy) の駅がある.

トゥルノフ駅の案内板

トロスキ城のあるチェスキー・ラーイ (Český ráj) は英語で Bohemian Paradise とも呼ばれる, 自然保護区域である. このため, 自然風景がとても美しいのだが, 保護区域であるがゆえに道路や線路を迂回させるをえず, アクセスを困難としている. トゥルノフはその北にある街である. トゥルノフからトロスキ城へ行くには外縁部の幹線道路を通るバスで南東へ向かう. バスターミナルには観光名所の宣伝案内がいくつもある. 『地球の歩き方』では紹介されていないが, チェスキー・ラーイ周辺は結構見どころが多そうである. とはいえ, 日本人観光客には敷居が高そうである.

http://www.cesky-raj.info/en/


ボレク (Borek) へ向かう. そのまま同じ場所で待つべきだったのだが, 間違えて反対車線へ移動してしまったため, 乗りそこねてしまう. 仕方ないので歩いて向かうことにした.

ボレクの停留所

遠くの方に尖ってるものが見えるがあれがトロスキ城だろうか? 左の小屋がバス停. ここでのんびり写真撮影していたらバスが反対車線を通り過ぎてしまった.

チェスキー・ラーイにいることを表す看板

馬や羊を飼う民家が多い.

馬と羊

キャンプ場があり, 周辺にはサイクリングや犬の散歩をしている住民がいる.

キャンプ場

ひたすら林道を進む

池を2つほど通過する

トロスキ城とは

トロスキ城に関する日本語の情報はあまりない. ネット上で調べた範囲では, 「トロスキー城」という名称で一度メディアに紹介されたことがあるようだが, 実際に行ったことのあるという話はあまり見られなかった. あっても旅行者ではなく, 現地で車を運転できる駐在社員やその家族のブログがいくつか見つかる程度だった.

https://www.hrad-trosky.eu/enwww.hrad-trosky.eu


トロスキ城は1380年ごろに建てられたとされる. これはゲーム開始のおよそ20年前である. 三十年戦争の頃に焼損してからは放棄されたようで, 近代的な改修をされることもなく, 中世の築城の面影を色濃く残しているようだ. 以下, ネタバレにはなるが, 本筋に関わることでもないから大丈夫だろう. ゲーム中にトロスキ城そのものは登場しないが, 終盤で, ヴァーツラフ王 (Wenceslas, Václav) から造反し, ジギスムント王に加担した貴族同盟 (League of Lords, Panská Jednota) が戦乱の原因の一つであると言及される. 貴族同盟のメンバーの一人, ベルゴウのオットーIV世 (Otto IV von Bergow, Ota IV. z Bergova) の居城がトロスキ城であると明かされる. 彼がボヘミアの戦乱を終わらせるためのキーパーソンであることは疑いようがなく, KCD の続編が作られるなら, トロスキ城も登場するかも知れない.

追記: というか KCD 開発責任者のダニエル・ヴァーヴラ (Daniel Vávra) 氏の Twitter アカウントを確認したら, 何度もトロスキ城に言及していた. 次回作の準備も着々と進んでいるようだ.



以下の写真は後述するグーグルマップに撮影場所を記載している.

林道を抜けてついに城の姿を拝む

少しづつ近づいていく

正面に捉えた

ここでは左折するのが正解. 右へ進んでも城へはたどり着けない.

道路は蛇行しており, なかなか近づけない

バス停近くから

ふもとのキリスト像と城

突岩には2つの峰があり, それぞれに塔が建てられている. 西側が Panna (乙女) の塔, 東側が Baba (老婆) の塔と呼ばれている. 後者のほうが高い.

トロスキ城に入場

ほとんどの観光客は自家用車で来ているようだ. ナンバープレートを見ると, ポーランドから来ている人も多いようだ.
入場料は大人 90 コルナ. 子供料金や団体割引や障害者・高齢者割引もあるみたいだが私は該当しないので確認していない.

城の入り口

鳩小屋

中世の古い城なので, 城内はけっこう足場が悪い (でこぼこしている, 石段が外れているなど) ので気をつけてほしい.

まず Panna 塔を登った. 内部はよくある尖塔と同様に, 急峻で狭い螺旋階段である. 実際に登ることができるのは手前の低い塔だが, これくらいの高さでも登るのはかなり疲れる.

Panna 塔

Panna 塔への階段

屋上. ウィキペディアのパノラマ写真では Panna 塔の屋上に双眼鏡があるが, 私が行ったときはなくなっていた.

Panna 塔の屋上 #1

Panna 塔の屋上 #2

ここで小中学生くらいの現地の子供の集団に会う. 急に「こんにちは」と挨拶されたのだが, こちらも急に挨拶されたので驚いて返事が片言になってしまった. 欧米ではアジア系ならだいたい中国人という認識でニイハオと声をかけられる, というような話をたまに聞くが, 現地ではそういうことはなく, なぜかみんなすぐに私を日本人だと特定していた. トゥルノフ駅でバスを待っているときも, 現地のおばちゃんたちが「日本人かしら, 珍しいねえ」みたいなことをひそひそ話していた (ほとんど聞き取れなかった). しかし一方で, プラハ市内では日系人より中国料理店や明らかに中国語で雑談しているアジア系の店員を見かけることが多かった.

次に Baba 塔へ.

Baba 塔

Baba 塔の外観

こちらは塔の北側に外付けされた吹きさらしの階段を登るので, かなり強い横風が当たる. 途中に金属製の鳥瞰図が置かれていた.

Baba 塔の中腹

鳥瞰図



屋上. Panna 塔の展望台を見下ろすことができる. Panna 塔の展望台にいるのは先程のこどもたちの集団.

Baba 塔の屋上

屋上からの景色. この辺りの地形は中世のころから変わってないのではないだろうか. これほど見晴らしが良ければ, 敵の接近もすぐに発見できただろう.

Baba 塔からの景色 #1

塔からの景色 #2

受付で購入したポストカードとコイン

最後に, バスに乗りそこねたともあったので, 売店の人にバス停の場所を確認してもらう. 親切にも英語で説明してくれた. しかし「たぶんここだと思う. 私も使ってないからわからない」と言われてしまう. 結果としてバスでトゥルノフまで帰ることができたので良かったが.

アクセス

今回は以下のような日程とルートで行った. なお, これは平日ダイヤであり, iDOS のルート検索を信じるならば土日祝日は公共交通機関による移動は不可能である.

グーグルマップに, 撮影した場所と経路図を掲載した.

drive.google.com


10:45 チェルニー・モスト (Černý Most) のバスターミナル発, トゥルノフ (Turnov) 行きのバスに乗る. チェルニー・モストはプラハメトロのB線終着駅なので迷うことは少ないはず.
12:08 トゥルノフのバスターミナル着.
12:33 イチーン (Jičín) 行きのバスに乗り換える
12:58 フルバー・スカーラのボレク (Hrubá Skála, Borek) で降りる
13:00 イヴィナ (Jivina) 行きのバスに乗る. ただし自分はここで乗り継ぎを間違えた. (その上、遠回りなルートを選んでしまっている) しかし, 結果としてトロスキ城へ徐々に近づきながら写真を撮ることができた.
13:09 トロスキ (Trosky) で降りる.
バス停からトロスキ城までは300m程度あるようだ. 当然ながら坂道である. 見晴らしが良いので迷うことはないだろう. グーグルマップでは「案内所」があると書かれていたが, 実際には閉鎖されて長く経っているようだ. レストランは営業していた.
今回はバスに乗れず1時間半くらい歩くことになってしまった.

15:48 Trosky で トゥルノフ・テルミナール (Turnov, Terminal) 行きのバスに乗る. グーグルマップの画像は古いのでバス停らしきものはなにもないが, 現在は何も書かれていないバス停の標識と, 申し訳程度のプラットフォームと, バスの停止線が書かれている. 帰りはシェルターのない側の道路で待つように.

16:13 テルミナール着
16:44 チェコ鉄道の急行 R 1149 Jizera に乗る
18:28 プラハ・ヴィソチャニ (Praha-Vysočany) で降りる
18:41 プラハ本駅 (Praha hl. n.) 行きの急行 R 942 Hradečan に乗る
18:49 プラハ本駅着

なお, 今回使ったバスはすべて BusLine の運営するバスだった. このバスは日本国内の高速バスに似て, 乗車時に運転手に行き先を告げて, その場で料金を払うようになっていた.

バス乗車券の例. トロスキ城からトゥルノフ駅へ

追記: この他にも、鉄道でフルバー・スカーラ Hrubá Skála まで行き, ボレクでトロスキ行きのバスに乗る, というルートもある(観光局のガイドには鉄道の直通路線がある, と書いてあるので, こちらのことを言っていると思われるが、私は乗り換えが必要なルートしか見つけられなかった). このルートなら外国語でやり取りする頻度が減るが, 所要時間が増えてしまう. 今回は早朝に出発せずに済むようバスを使った.

KCD 聖地巡礼記事一覧

ゲームの舞台となるサーザヴァ地方の話

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2023年にもう一度行った時

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南部モラヴィア地方の主要都市, ブルノの話

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ゲーム中ではクッテンベルク (クッテンバーグ) とも呼ばれる, クトナー・ホラの話

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首都プラハ観光の話

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