Mazanec と書く. 昔からチェコでイースターの日に焼くことになっているパンである. そして今回は, 16世紀の作法に即して作ることにした. 現代の典型的なマザネツは, 四旬節で油や乳製品やその他の贅沢品の摂取を控えさせられていたことの反動であるかのように, 大量のバターと砂糖を使用し, 干しブドウとアーモンドを混ぜることが多い. 16世紀の記録にあるマザネツもよく似た作り方だが, 代わりにサフランとクローブという, 当時高級だったスパイスを使用している.
マザネツとは

作り方はほぼこの動画が紹介している通りである.
www.youtube.comところで, 去年発売したビデオゲームの Kingdom Come: Deliverance II は, 1403年の4月上旬ごろのチェコが舞台である. 今回のマザネツの作り方は16世紀の記録なので, 推定で百年以上の開きがあるが, 15世紀初頭にも似たような料理がもしかするとあったかもしれない
材料

調理にはオーブンが必要である
polohrubá mouka というのはかなり粗く挽いた小麦粉である. 日本で売ってる強力粉よりもさらに粗い. これと同様のものをチェコ以外の国で売っているのを見たことがない. なお, polohrubá というのは「半分の粗さ」という意味で, 現地ではさらに粗い種類の小麦粉も売っている. これらの粗い小麦粉は今回のような伝統的なパンや焼き菓子に使うのが典型的である. 粗いのでふるいにかける必要がなく, ものぐさに向いている.
作り方
- イーストの予備発酵をする. しかしドライイーストであれば予備発酵が不要なので必須ではない. 上記の材料のうち, スプーン1杯程度の生クリームをぬるま湯の温度に温め, 砂糖を加えて予備発酵させる
- クローブを細かく砕く
- クローブは香りは良いが食べるのに向いていないため, 念入りに細かく砕いたほうがよい
- 鍋を火に掛け, 生クリームとバターを入れて溶かす
- 火を消してぬるま湯程度の温度まで冷やす
- 二次発酵したイーストに, 塩少々, クローブ, サフラン, 砂糖, 卵1を加えてよく混ぜる
- 小麦粉を (5) に少しづつ混ぜる
- よくねってひっつかず弾力のある生地を作る
- 15分程度根気よくこねる必要がある
- 乾燥しないように生地を容器に入れて蓋をして1時間寝かせる

- カッテージチーズを加え, 均等になるようこね, 最後に形を整える
- 再び容器に戻して蓋をして2時間待つ
- 油が多く重い生地になるので, 発酵には時間を掛ける必要がある

- 油が多く重い生地になるので, 発酵には時間を掛ける必要がある
- 耐熱皿に載せ, 溶き卵を塗り, 最後に十字の切れ目を入れる

- 160度Cに予熱したオーブンで40分程度加熱する
- もちろん必要に応じてパーチメントペーパーを使用する
表面はひび割れているが, 内側はちょうどよく火が通っている. polohrubá を使ったのでパンのような弾力はなく, 焼き菓子のように簡単に崩れる 大量の砂糖とバターと生クリームが含まれているため, 一人で一度に食べるのはおすすめしない
完成品
