この記事と同一の内容を『【日記】ザワークラウトとソーセージとベーコンを作ったら、あとはビゴスを作るだけだ|Sarmaticus Iaponicus』に掲載しています.

ビゴスの作り方. 先日の投稿で触れたように, vepřo-knedlo-zelo を作った. そのためにザワークラウトを2キロくらい作っておいたので, まだ1キロ超残っている. さらに, ソーセージとベーコンも作った. ソーセージは乾燥させたことで少々固くなりすぎてしまったが, オールスパイスやコリアンダーやニンニクを入れた「ウクライナ風」ソーセージはかなり良い香りを放つようになった. 日本の冬は (太平洋側に限れば) は湿度も気温も低いのでこういった作業に向いているというのが数少ない利点だ.
要約
前置き





さて, これらはビゴスによく使われる食材だ. 全て自分で作ってしまったからには, これらを使ってビゴスを作るしかない.
ビゴスは作り方が人によってかなり変わってる. 少なくとも肉とキャベツを煮込む料理であるとはいえる. しかし, ザワークラウトを使うか生のキャベツを使うかとか, どの種類の肉を使うとか, ソーセージだけでなくベーコンを入れるとか, いろいろな差異がある, そして極めつけは「ポーランド人が3人集まれば, 5通りのビゴスのレシピが挙がる」という言葉だ.
作り方
主に以下の2つの動画を参考にした. 今回はどちらかというと後者に近い.
今回は以下のような材料を使用した. もちろん, これが完成形というわけではない. 様々なレシピがあるということは, 逆に言えば適当に作ってもそれはビゴスになりうる. 何度も繰り返して気に入った味になるまで試行錯誤すれば良い. よって以下では「なぜそれをやるのか」という観点なるべく記述している. この材料を用意する際に注意すべきなのは, 十分に大きな鍋が必要だということだ. 深く考えずに提示された分量をほとんどそのまま用意したため, 鍋になんとか入るかというくらいの量になった. 実際には, 上記の半分くらいの量が作りやすいだろう. 加えて, 効率よく調理するには複数の鍋やフライパンを使う必要が生じる. コンロも2口以上あるのが望ましい.
材料

手順
- 乾燥キノコを水に浸してもどす. 一晩あれば十分だが, 時間がないならぬるま湯に浸けて30分-数時間程度で切り上げる
- ザワークラウトを搾って水気を切り, 荒くみじん切りにする
- 鍋に水気を搾ったザワークラウトを敷き詰める.
- 水に浸かる程度まで水を加え, 蓋をして中火で1時間茹でる.
- 水の代わりにブイヨンを使うこともある
- 水分を飛ばしたいため, 蓋に隙間を開ける.
- 生キャベツを粗くみじん切りにする.
- 千切りにしてから2, 3等分するくらいの粗さでよい
- 生キャベツを鍋に加え, さらに1時間茹でる
- コンロがあれば別の鍋で下茹でして暈を減らすのがよいかもしれない
- キノコと浸した水を鍋に入れて煮切る. 完全に水を飛ばす必要はない. 煮切ったら千切りかみじん切りにする
- 生肉を1cm角程度に細切れにし, 油をひいたフライパンでソテーする.
- これは焼き目をつけて風味を良くするとともに, アク取りをせずにするための方法である.
- ベーコンとソーセージも小さく角切りにする
- タマネギをみじん切りにする
- フライパンを熱してラードをとかし切ったタマネギとベーコンとソーセージを炒める
- の鍋に塩, キノコ, トマトピューレ, すりおろしたリンゴ, マジョラム以外の残りのスパイス・調味料類を全て入れる
- 炒めた肉類とタマネギを全て加える
- 刻んだプルーンを入れる
- 必要に応じて塩コショウを追加して味を調整する.
- 気が済むまで弱火で煮込む
- マジョラムと刻んだニンニクを入れる
- 加熱しすぎて香りが消えることを考慮して最後に入れているが, 何日も煮込むのであれば最後にするとよいだろう.
- なお, 個人的な印象によればニンニクを入れる人はあまりいない.
- 一晩寝かせる.
- 盛り付ける時はパンの内側をくり抜いてビゴスを投入する
- もちろん味付けとは関係ないので, 興味がないならやらなくてもよい
何日も繰り返し煮込んだり, キャベツと野菜を煮込む各工程に何倍も時間をかける場合もある.
いろいろな食材を使用しているが, 結局全部煮込んでいるだけなので, 煮込みながらでもいくらでも味を調整できる. 実際, この作り方はでは酸味が強すぎると感じたので, 酸味を緩和するために砂糖を追加した.




最後に, 何がいちばん重要なのか
繰り返すように, ビゴスのレシピは人によって異なる. そのため, レシピを列挙するよりも大まかな方針を与えるほうが良いかも知れない. 知り合い数人にも「ビゴスに不可欠な要素はなにか」訊いてみたところ, 何種類も食材が挙げられてまとまりがなかった. そのため, 上記のレシピに書かれていない観点をいくつか挙げることにする.
追記: これを投稿した直後にさらに新たな主張が登場したので再編集してより細かい話も反映した.
- ポーランド人A
- キャラウェイを加える
- 干しキノコを入れるのは普通だと思うけど, 自分や家族が作る時は入れない
- ポーランド人B
- 干しキノコの代わりにキノコの漬物でもよい
- ポーランド人C
- 「正しいビゴスは何か」という質問は「正しいラーメンとは何か」って訊いてるのと変わらないんじゃないの
- ポーランド人D
- ザワークラウトとキャベツの割合はなるべく同じにする. ザワークラウトの酸味が強すぎるなら軽く水でゆすいで絞れ
- 油はラードか菜種油が望ましく, オリーブオイルなどは絶対に使うな
- (生キャベツ+ザワークラウト) と (生肉+加工肉) の量の割合を同じにし, 生肉:加工肉は奇数が良い
- 「ビゴス」とは「すりおろす」という意味なので, それぞれの材料は細かく切って調理すべきである
- ニンニク・オールスパイス・ローレルはどんなときでも必須だ. ブラックカルダモン, キャラウェイ, ジュニパーベリーを追加するのも良い. パプリカやマジョラムやキノコは好みに応じて入れればいい.
- スパイスの粒やローレルは1リッターあたり1個ずつ使う.
- 最低2度は加熱するのが良いビゴスの条件だ
- 加える液体は赤ワインだけにし, ブイヨンやトマトなんか入れるな (マジありえん).
- 肉はいろいろな種類を揃えたほうが良いが, 鶏肉とかの家禽類はダメ. それを入れたら別の料理だ.
- 出来上がりはみな茶色くなるが, 犬の餌同然のビゴスも, 材料1キロあたり50ドル以上費するような高級なビゴスもありうる
- ポーランド人C (再登場)
- ロケット科学か何かの話でもしていらっしゃる?
そういえば, 昔は冬によく鍋料理を作った. 昆布だしをとり, 味噌を溶かし, ネギ・白菜・鶏肉・人参・キノコを茹でて食べていた. しかし出汁がもったいないので, 何度か材料を継ぎ足して1週間くらいかけて食べる, ということをよくしていた. これは「テセウスの船」の一例だ.
もう1つそういえば, 今回のビゴスで自作のザワークラウトを全部使ってしまった. zelňačka という, ザワークラウトを使う料理をもう1つ作ろうと思っていたのを忘れていた.