Sarmaticus

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マレーシアにポーランドで剣の修業の成果を披露しに行った (謎)

今回の内容はほとんど旅行時の日記です.


初めに

まずはイベントの発生順を示す.

今回は10月の話になる.


日本武道学会全国大会でポーランドの剣術に入門する (謎)

International Martial Arts and Combat Sports Scientific Society (IMACSSS/GSMACC) のカンファレンスが毎年9-10月頃に開催される. 2023年は COVID-19の影響もあって, 例外的にIMACSSS/GSMACCのカンファレンスが日本武道学会と合同で行われることになった. 国内なら簡単に行けるので, この時に初めてSignum Polonicum という団体のメンバーに会って入門した.

経緯を詳しく知らないが, 最初は IMACSSSとGSMACCという学会がそれぞれ独立して立ち上げられ, 現在は合併しているようだ. そのため, 書面ではIMACSSS and GSMACCのように併記されるが, 口頭ではみんなIMACSSS (アイマックス) と呼んでいた.


ヨーロッパへ剣の修業の旅に出る

毎年2月にウィーンでHEMA (西洋古武術) のワークショップが開催される. そこで剣術を教わるついでに, ポーランドまで足を伸ばして複数の指導者から, サーベルを使ったポーランドの剣術を教わることにした. といっても飛行機はセールで入手したポーランド航空なので最初に到着したのはワルシャワだった. なお, ウィーンのワークショップは主にドイツ由来の武術をやるので, ポーランドの話は出てこない. このとき初めて, SP だけでなく, クラクフの Silkfencing や Cross-Cutting Art の指導者からもレッスンを受けた.


再び剣の修業の旅に出る

退職するついでに3週間くらいヨーロッパに行くことにした. ヨーロッパに行くのだから, 当然のようについでに練習の予定も組み込んだ.


今年10月

実は, 去年の入門以降, ビデオ通話を使ったレッスンも断続的に行っていた. そして今年も冒頭のカンファレンスの季節が近づいてきたので, 「メンバーで演武を見せるからお前も来い」ということでマレーシアに行くことになった. いちおう断っておくと, 1年で3回も海外旅行することは初めてだ.


旅程

このカンファレンスは, 理事会メンバーの出身国で持ち回りで開催しているらしく, 今年は通常のローテーションに戻ってマレーシアで開催することになった. 来るように言われたとき, ちょうどシンガポール航空がセールをしていたので, シンガポールまで行けば隣国だから陸路なりLCCなりで簡単にマレーシアへ行けるだろうと考えてとりあえずその場でシンガポールへの往復便を購入した. 今まで全く旅行することを考えていなかったので, 直前まで予定を決めていなかった. なお, 開催地はクアラルンプルに隣接するプトラジャヤだったので, 開催期間の3日間はずっとプトラジャヤに滞在していた. まったく計画を立てていなかったこともあり, シンガポールには半日x2, クアラルンプルには半日, ジョホールバルには半日, というぜんぜん観光していない旅程になった. だが, 私は去年からビリヤニに関心を持っていたので, 行く先々でビリヤニのマレーシアローカライズ版である「ナシブリヤニ」を食べ比べよう, という計画はあった. 単に現地に着いて腹が減ってきたらGoogleマップビリヤニを作ってくれる評価の高い店を検索するだけのことを計画的というのかは知らないが.

具体的な旅程を1日ごとに書くと, 以下のようになった.

  1. SGに夜間到着し, SGで一泊
  2. 昼過ぎにジェットスターでクアラルンプル空港へ移動, 鉄道でプトラジャヤへ直行する
  3. カンファレンス1日目
  4. カンファレンス2日目, およびポーランドへの短期渡航 (謎)
  5. カンファレンス3日目
  6. 現地の学校に訪問して児童と練習する, 夕方にクアラルンプルへ戻り, 一泊する
  7. 昼過ぎにKTM (マレーシア鉄道) でジョホールバルまで行き, 一泊する
  8. 昼過ぎまでジョホールバルをぶらぶらする, 昼過ぎにシンガポールへ戻り, 深夜便で帰国する
  9. 早朝に到着

シンガポール

事前に調べた話をもとに, シンガポールチャンギ空港シンガポールとマレーシアのどちらでも使えるSIMカードを買うことにした. シンガポールの交通カードであるEz-linkも同時購入できたが, こちらはマレーシアでは使えないし, 翌日出発する予定なのに1週間パスしか選択肢がなかった. 期限切れになっても再チャージできるものだが, 半日しかいないのに数日分のフリーパス料金は割高な気がした. なお, その直後にチャンギ空港のMRT乗り場にもEz-link発券機があることに気づいた…

1日目のナシブリヤニ


プトラジャヤ

翌日昼過ぎのクアラルンプル行きのジェットスターでマレーシアへ向かった. プトラジャヤは, クアラルンプルの近郊にある都市で, 首都機能を移転する計画があるらしい. 近年になって整備された都市なので, いかにも郊外ニュータウンという趣の, 整備された真新しい都市だった. だがそれだけに, あまり観光客向けではない. クアラルンプル国際空港とクアラルンプルの中間にあるので, 空港から向かえばクアラルンプルよりも先に到達する. 駅からはタクシーを使った. マレーシアの路線バスに関する情報がほとんどないのと, タクシー代が異様に安い, そして外が暑いということから, マレーシアではずっとタクシーで移動していた. タクシーアプリのGrabは, シンガポールでもマレーシアでも使えた. カンファレンスはプトラジャヤにある複合施設内で開催された. 場所を考えるのが面倒なので同じ施設内のホテルを予約した.

マレーシアにもシンガポールにもあちこちにコンビニがある

1泊あたり1万円程度したが, それなりに新しく広い1LDKだった. マレーシアはタクシーも宿泊費も安いのか

近くの公園で現地に来たメンバー全員で朝練をしたりしていた. マレーシアは10月でも気温も湿度も高いため, 早朝でも蒸し風呂のような感覚だった (気温は30度前後なので日本の夏の蒸し焼きのような不快感はないが, 湿度が高すぎるのは苦手である.).

カランビット?
マレーシアなのでシラットの演武が行われている. せっかく来たのだからレッスンをお願いすればよかった気もするが考えつかなかった.

自分自身の録画はできないので写真はない. メンバーが作成した動画ならある (英語字幕あり, 音声はポーランド語のみ)

www.youtube.com

チームメンバーは大勢来たが, 全員ではない. ちなみに来なかった人たちや知り合いたちは同じ頃地元でフサリアになったりステファン゠バートリ王になったりしていた

https://wroclaw.gosc.pl/gal/pokaz/9014660.II-Wroclawski-Orszak-Dziejow より

wroclaw.gosc.pl

Hellish Quartのラースローではない. 本来はこの上に何か上着を着るのが正装であるが, 暑かったので誰も着ていない

ホテルに宿泊しているとバイキング形式の「しゃぶしゃぶ」レストランを無料で使用できた. 「しゃぶしゃぶ」とは書いてあるが,「火鍋」とも併記していたり, 出汁がかなり濃く, 日本のしゃぶしゃぶではつかなわい食材がいくつもあるなど, 日本のしゃぶしゃぶとはだいぶ違う気がするが, 当地ではこういう料理として受け入れられているらしい. 一方で, マレーシアの現地料理と思われるものはどれも味付けが濃く, かなり気に入った. それまではマレーシア料理といえば日本国内でナシゴレンくらいしか食べたことがなく, 印象に残らなかったが, ここで食べられたのはどれも味付けの濃いグレービーのようなものをかけた, カレーのような見た目の料理が多かった. もちろん風味は日本のカレーライスと全く違う. 名札に書かれた名前が全部違ったので, サンバル以外にもこういう料理がいくつもあるらしい

今気づいたけど子どもが転んでいる
「しゃぶしゃぶ」
ういろうとかちまきみたいな米原料らしきお菓子が何種類もある
ココナッツミルクで炊いた米? 草はレモングラスか?
よかったですね
近くのショッピングモール内のフードコートで食べたブリヤニ, 厚焼き玉子は追加

カンファレンスが終わった翌日に, 会場近くの学校へ連れて行かれて児童にレッスンする手伝いをすることになった. マレーシアの教育制度は知らないが, 小中学生くらいの子どもがいたように思う.

光景
関西?


法律上ポーランドにも渡航した

2日目の夕方, マレーシアのポーランド大使館に連れて行かれた. 大使館はクアラルンプルの郊外にあるので, プトラジャヤからは車で30, 40分くらいで到着する. パスポートも確認されたので, 形式的にはポーランドに入国したことになるだろう. 外国で, 第三国の在外公館に入境するのはわりと珍しい体験である気がする. なお, 防犯上の理由でゲートの前で20分ほど待たされた. 自分は着替えていたが… 大使館への訪問目的は, 今回のイベント参加はポーランドとマレーシアの文化交流に貢献したことだと大使に報告することである. その時の様子は駐マレーシアポーランド大使館のアカウントも報告している.

マレーシアのポーランド大使館


クアラルンプル

  • 高速道路を携帯で通話しながら乗用車の合間を蛇行運転するバイク
  • 渋滞道路の脇の歩道を爆走するバイク
  • 歩道に乗り上げクラクションで歩行者を追い散らす超過積載スクーター

など迫力のある運転マナーを見てきた.

6日目の夜にクアラルンプルに向かい, 一泊する. どうせ素泊まりだからと交通の立地以外は考えずに安いところにした. KLセントラル駅の眼の前の安い宿にしたら, 本当に最低限の広さしかない部屋だった. それでもシンガポールのドミトリーよりは安かった. 翌日昼に出発するので, 駅の周りをうろうろしたくらいでろくに観光してはいない.

KL Sentral駅付近で食べたブリヤニ, マレーシアのビリヤニはどこもソースをかけたり, 骨付き肉やゆで卵ややたらと甘い野菜のマリネなどが付け合わせとして出てくる (別料金のこともある)

昼にセントラル駅から鉄道でジョホールバルへ向かうことにした. マレー鉄道 (KTM) の公式サイトかアプリを使えば事前予約できる. だが, 乗り換えの検索機能はないのでそちらは他の方法で調べるしかない. 切符はQRコードをスキャンできれば印刷しなくても良いようだ. 日本と違ってあまり鉄道が使われていないのか, 便も少ない. よって早めに予約しないと乗れない可能性がある. クアラルンプルからジョホールバルへ行くには, グマス (Gemas) で乗り換える必要がある. グマス以南は非電化区間なので, 必ずここで乗り換える必要があるらしい.

グマス駅はかなり古めかしく, 運行情報が手書きの看板だった.

手作り感のある案内表示
グマスの駅舎, 乗り換えだけならここに来る必要はない
ここまで来ると景色が左右ともバナナだかココナッツだかの畑ばかりになる.

JL Sentral 駅には8時過ぎに到着した. 駅舎は非常に大きいが, 開発途中なのか人の流れをさばききれていない. 自動車の送迎エリアが規模に全く釣り合っておらず混雑していた. ホテルまで歩いていけそうと直線距離だけを見て判断したが, 歩道が整備されていない上に立体交差が多く, よくわからなかったので結局タクシーを呼んだ. シンガポールの国境検問所もすぐ近くにあるので, 駅周辺は歩行者にあまり配慮されていないようだ.

クアラルンプル-グマス間の車内


ジョホールバルシンガポール

翌日歩いていみたら, いちおう歩いて行けるのだが, 初めて来た上に暗いとまず分からない. 駅から宿泊施設までは仮設の歩道橋のようなものでほぼ直線移動できたのだが, 初見では難しい. それに階段なので重いスーツケースを持って移動するのはつらい.

モスクの周りにインド人の住むエリアがあったり, モスクの目の前にヒンドゥー教寺院や道観が立ち並んでいる.
マレーシアの本屋は中国語・マレー語・英語でそれぞれ分けて陳列してある
あの…このイラストってもしかして無断…
JB Sentral付近で食べたブリヤニ

昼過ぎにシンガポールへ出発した. ジョホールバルからシンガポールへ入国するにはバスか鉄道に乗って入るのが典型らしいので, 鉄道を予約しておいた. (毎日多くの人が移動するので早めに予約したほうがいいだろう) だが, ぼーっとしながら「Woodlands」という行き先案内にしたがって歩いていったら, 間違えてバス乗り場に来てしまった. 国境検問所は出国審査をしてからバス乗り場に入るという構造なので, 間違えに気付いたときにはもう戻れない. クレジットカードの非接触決済で料金を払えるバスがあったので, それに乗ることにした.

日本への出発は深夜なので, とりあえずチャンギ空港まで戻って荷物を預けたが, シンガポールでどこを観光するか全く考えていなかったのでひたすらうろうろしていた. 結局最初に来たスルタンモスク周辺をうろうろしていることが多かった.

シンガポールで食べたビリヤニ?ナシブリヤニ?本体はインド・パキスタンビリヤニに近いが, ソースやきゅうりの甘いマリネを乗せてるところはマレーっぽい.
リトルインディアでAachiというメーカーのビリヤニマサラを見つけたので購入して帰国してから作ってみた