Sarmaticus

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スペインへポーランドの剣の修業の成果を披露し昇格試験も受けに行った (謎2)

追記: note に同じ内容を再投稿した.

note.com



これまでのあらすじ

under-identified.hatenablog.com


去年はマレーシアだった. 今年はスペインだった.

今回の記事も半分以上が旅行の話になる.

イランの報復攻撃の翌週


スペインでやったこと


マドリード

マドリード王宮と敷地内にある王立武器庫を見学しようと考えていた. しかし, 旅程の制約から, 7時台に空港に到着し, 10時までに王宮に行く必要がある.

空港からアトーチャ駅までバスで移動し, タクシーを拾おうと Free Now を使っていたが, タクシーが大量に走っているにもかかわらずまったく拾ってくれない. まさかアジア系だからって舐められているのか? とか疑心暗鬼になりながら, 30分くらい粘ってやっと拾ってくれたタクシーの運転手のスマホを見ると, 目的地が「王宮」と日本語で表示されていた. 誰も拾ってくれなかった原因はこれらしい. ふざけやがって…

なおスペイン王立武器庫は改装工事か何かで閉館していたため見学できなかった. いつ再開するかをスタッフに訊いても知らないと言われた.

到着予定日の前週で最高気温が46度になったとかニュースになっており, 到着した日も最高気温が40度くらいになったと思う. だが, 湿度が低いので日本と違って一晩中暑いということはない. 気温のピークは昼下がりの数時間の間だけで, それ以外の時間帯は涼しく快適だった. この暑い時間帯はちょうどシエスタの時間と重なっており, 得心がいった.


クエンカ

あまり自由行動できる時間がないので, マドリードかマドリードに近いところを1つだけ見に行こうと考えていた. 当初考えていたのは以下の3つだった.

  • バルセロナ
  • トレド
  • クエンカ

しかし, バルセロナに行くならサグラダファミリアに行くべきだろうと思っていたところ, 直前まで予定を立てていなかったせいで予約制だと気づかず旅行期間中は入れないことが分かった. さらに, トレドは見どころがあんまりないという口コミを得たのでクエンカに行くことにした.

クエンカはマドリードからRenfeの特急で1駅の Cuenca Fernando Zóbel 駅から行けるらしい. だが, 駅はかなり郊外にあるので, クエンカまでは結構距離がある. 路線バスがあるようだが, 時刻表も路線図もよくわからない. Google Map で検索しても, 「この時刻表は古い可能性があります」と表示され, 実際時刻通りにバスが来る気配がなかった. スペインはこんなんばっかだ.

結局, 行きはタクシーを使った. こういう観光客が多いのか, バス停の待合室にタクシーの料金が書かれている (落書きしていいのか??).

帰りもタクシーくらいあるだろうと楽観していたが, ぜんぜんタクシーが来なかった. FreeNow でも拾えない. バスが来たので駅に行くかと身振り手振りで訊いてみたが, スペイン語でしか答えてくれないので, このバスは駅に行かないということしか分からなかった. 結局麓の市街地まで歩いて降りて, 流しのタクシーを捕まえて駅に戻った. 相変わらずバスがどういう経路で走っているのかわからない. それにしても, 自分はスペイン語がわからないし, スペインでは英語が話せない人が多いので, 意思の疎通が難しい. しかし, よく考えたらこれまで行ってきたところは, チェコとかポーランドとかロシアとか現地語が多少わかる地域ばっかりだったので, 現地語がほとんどわからない国に来るのはスペインが初めてだった*1. オーストリアは英語で乗り切れる場合が多かったし, マレーシアは以外と英語で話が通じるし, 台湾は漢字だからなんとなくわかる.

とはいえ, 世界遺産があり, 国営の高級ホテルもある観光地なので, 平日でもそれなりに観光客がいた. アジア系は自分しかいなかったが.

世界遺産の「宙吊りの家」
既視感のある風景たち
パラドールは工事のため休業していた
麓にも市街地が広がっているため, ノーマンズランドとかはない


レオン

今年の International Martial Arts and Combat Sports Scientific Society (IMACSSS/GSMACC) のカンファレンスはなぜか7月のレオンで開催された.

マドリードからレオンヘ行くには, 再びクエンカへ行って, そこで北上する特急に乗り換える必要があるらしい, と思っていたら, それは私の勘違いで, Renfe の予約サイトで出発を「マドリード゠アトーチャ (Madrid Atocha)駅」に指定してしまったことで遠回りの経路しか提示されなかったようだ. 実際にはマドリード市街地の北にあるマドリード゠チャマルティン (Madrid Chamartin) 駅からなら直通便があったことを購入後に気づいた. さらに, 帰路はパレンシアかどっかで乗り換えるようなもっと遠回りのルートで予約してしまったため, だいぶ無駄な出費をしてしまった. この後も交通機関関連でいろいろなトラブルがあったため, スペインの交通機関がかなり嫌いになってしまった.

会場は, レオン市街地の端にあるレオン大学で行われた. マドリードほどではないが, 真昼はそこそこ暑くなる. しかし会場にエアコンはない.

カンファレンス後に, カンファレンス参加者たちで旧市街地のガイドツアーに参加した. 聖イシドロのバシリカでは, ガイドが偶然日本人だった. バシリカの内部は撮影禁止だったので記録できなかったが, 壁に書かれているラテン語を読んで遊んでいた.

レオンは, カミーノ, いわゆる聖地巡礼の経路上にある. 市内にも帆立貝の飾りを付けた巡礼者風の格好をした人間が散見された*2. ガイドが「皆さんの中でカミーノをしたことがある人はいるか」と質問すると, 2, 3人が手を挙げたのでさすがスペインだなと思ったが, その後の「この地面に埋め込まれている帆立貝のレリーフは, コンポステラの方角を指しています. どちらがコンポステラかわかりますか?」という質問をすると, 全員が間違えていたので笑った. 聖地の方角は帆立貝の付け根側で表すらしいが, みんな末広がり側が方角を指していると勘違いしていた.*3

帆立貝のレリーフ
たぶん塩振っただけなのにうまい
屈強な古代ローマ軍団がガスパチョを飲みながら征服した土地に建設した砦がレオンの起源らしいので, 古代ローマ時代の城壁が残っている


交通機関のトラブル

既に,

  • タクシーアプリが目的地を日本語で表示していたので誰も拾ってくれなかった
  • Renfe のWebサイトで遠回りかつ割高な切符を購入してしまった

というトラブルがあったことは書いた. さらに, 次のようなトラブルもあった

  • レオンでは FreeNow でタクシーを拾えないため, スペイン国内で使われているタクシーアプリに切り替えたら, タクシーを待っていると運転手から電話越しにスペイン語でまくしたてられキャンセルされたため遅刻した
  • 翌日はタクシーを使わず路線バスで行こうとしたら経路の違うバスにのってまた遅刻した
  • マドリードへ戻る時の鉄道 (Renfe) で, 今まで一度も請求されなかった手荷物超過料金を請求された

スペインでは今までで一番交通機関体験がめちゃくちゃだったので辟易した.

Renfe の対応にはチームメイトも困っていたようだ. 彼らは鋼製のサーベルを持参する必要があったので, Renfe に持ち込んだところ, 手荷物検査で「ナイフ等の刃物を隠し持ってるわけでも, 爆発物でもない」ためかスルーされて普通に乗車できた. しかし別の便では危険物判定されて乗車拒否されてしまったため, 急遽 FlixBus に乗り換えたらしい. 「ポーランドの鉄道は外国人がパスポートを偽造していないか1時間ごとに確認してくる, スペインの鉄道はサーベルを気分で刃物認定したりしなかったりする」という格言ができた.


剣術と武術の話

観光旅行っぽい話は以上である.


演武

前回同様に, 今回も演武を披露した. マレーシアのときは暑いからデリア*4を持ってこなくてもよいと言われたが, 今回は言われなかったので持って行くことにした. さらに今回は自前のブーツも用意できているので, 衣装だけでスーツケースがほとんど埋まってしまう. 果たして, デリアは演武の際には着ないとはいえ, 他に誰も持ってこなかった. それどころか, 肌着しか持ってきてないメンバーもいた. 演武の場面はビデオに録画していたが, 結局メンバーの誰も私の「正装」を撮影していなかったのだった…

衣装一式


スペインの伝統レスリング

演武をしたのは我々だけではない.カナリア諸島から来た集団による Lucha Canaria と, レオンの伝統的なレスリングである Lucha Leonesa の披露も行われていた.

スペインに行ったんだからスペイン剣術やっている人にアポ取って教えてもらえないか交渉すればよかったな…


昇格試験

さらに, カンファレンスで演武を披露した後で, starszy uczeń (senior student) の試験を受けることになった. この試験は直接教わっているインストラクターではなく, 創始者の Sawicki 氏の審査が必要になる. しかし Sawicki 氏は今回はスペインに来ていないので, 日本でいつもやっている練習と同様に, スマホのテレビ通話で写して審査してもらうことになった. …今ここでやる意味ある?

さらに悪いことに, 試験直前にめちゃくちゃ腹を壊したため, 腹痛に耐えながら試験を受ける羽目になった…

starszy uczeń の試験をなんとか合格できたので, 私は mlodszy praktykant (junior practitioner)というランクになった. なるとどうなるのかというと, こう言われた

「以降のカリキュラムは型稽古ではなくスパーリングが主になる. なので君もスパーリングパートナーを早く用意する必要がある. これまで教えたことを他の誰かに教えるだけだから, できるよね?」


スパーリングパートナー募集


要件

要件とは書いたけど, そこまで厳密に計画を立てていないので, 目安である.

  1. 心身が健康であること
  2. 定期的な練習に参加できること,
    • といってもおそらく1週間に1回程度になるだろう.
  3. 以下の少なくとも1つを満たすこと
    1. 日本語または英語を日常会話レベルで使用できること
    2. 日本語およびポーランド語を日常会話レベルで使用できること

英語またはポーランド語は先方とのコミュニケーションのための要件になる. 英語かポーランド語, 特に後者が話せるのなら私を介さず直接連絡すれば良い気がするが, それをされると私のスパーリング相手が得られないのでこのように書いた.

*1:スペインではカタコトのラテン語で交信を何度か試みたが全く通じなかった.

*2:巡礼者風の人間はマドリードのアトーチャ駅でも見かけた

*3:後で調べてみると, 方角の表し方に関して明確な決まりはないらしいと分かった. 少なくともレオンではこのルールが適用される, ということだろう. https://www.caminodesantiago.me/community/threads/camino-shell-directions.73326/

*4:そろそろポーランドの歴史衣装に関する解説も書くべきだ. ウィキペディアは誤った記述が多すぎる.