- 概要
- 紹介するmod一覧
- Female Troops Simplified/ツリーを変えずに女戦士を増やす
- No Big Smiles/NPCの笑顔が口角上げすぎて怖い
- Useful Skips/いらんから飛ばせ
- DLSS 3.1 For Bannerlord/アンチエイリアシングの強化
- Transmog - Cosmetic Equipment/装備を好きな見た目あるいは非表示にする
- Realistic Practical Holsters/大剣を背負ってる奴は見掛け倒し
- Ulfkarl Custom Horns/Immersive Battlefieldの音声差し替え
- New Villages for Europe/マンネリ化した村マップに新規追加
- River Land Castle/タリヴェル城のマップ変更
- Tavern Extended/酒場もアップグレードする
- Battania Keeps/バッタニアの要塞のマップ変更
- Raise Your Banner/戦場にたくさん旗が現れる (再掲)
- お子様ランチみたいな旗を修正する/Banner Fix
- Culture Diversity Mod/福笑いのような不細工なNPCを改善する
- Helmet Hair Cover Tweaks Expanded/髪の毛表示の変な装備を多少ましにする
- Historical Name Expansion/NPCの名前のマンネリ化を解消する
概要
以下の記事で紹介する数が増えてページが重くなってきたので新たな記事に分けることにした.
under-identified.hatenablog.com
タイトルの通り, ゲームバランスを変更するというよりプレイ中の見た目やオーディオ効果を強化することを目的としたmodを中心に紹介する. そのため, グラフィック処理を変更したり, 新しいミッションマップを追加したりするmodを主に取り上げることになる. (ミッションマップの変更は実質的にゲームバランスにも影響するが, 細かいことは言わない方向で) 今回も以前のベスト100modとは違い, DL数やEndorsementを選考の基準にしていないし, ベスト100および繰り上がりランクインmodで紹介しているものは, ここでも紹介するとは限らない. 関連しそうなmodを見つけ次第追記していく.
ところで, 「グラフィックの強化」という見出しだと, 勘違いする人がいるかも知れないので, あらかじめ補足しておこう. MB2の仕様では, ゲームの既存のテクスチャやメッシュを改造したり置き換えたりするのは難しい. よって, 例えば『スカイリム』では, 地形やアイテムのテクスチャをユーザーが作成した高解像度テクスチャに置き換えるmodがいくつもあるが, MB2ではそういったものはほとんどない.
追記: MB2の現状では「グラフィック・オーディオ周りの強化」というくくりだと厳しかったので, 以下の記事でテーマを変えて仕切り直した.
under-identified.hatenablog.com
紹介するmod一覧
最初のいくつかは元記事から移動したものである.
Female Troops Simplified/ツリーを変えずに女戦士を増やす
動作確認バージョン: v1.1.2/本体v1.1.5
日本語: なし, MCMの項目が英語のままになる, PR送ったので対応して欲しい..
www.nexusmods.com
兵士を一定割合で女性兵士としてスポーンさせる. 一般に, 兵士ツリーを変更するようなmodは一旦有効にしたセーブデータで無効にするとエラーの原因になることが多く, その上多くの人が兵士関係の設定のXMLを書き換えるたがるため競合も発生しやすい. このmodはスクリプト制御で性別を変化させており, 兵士ツリーそのものを変えているわけではないので途中で外しても問題が発生せず, 他のXML書き換えただけで実装した種類のmodと競合しにくいので, 気軽に使うことができる.
MCMで設定変更ができる. スコルダーブローダやギルマンなど設定上女性がいるとおかしい勢力や, 剣の乙女のように最初から女性しかいないツリーもあるので, そういうのに対処できるように適用対象をある程度変更できる. ただしその判定方法が内部IDの部分一致なので, modで追加されたNPCはたまにイベント専用のNPCを誤検知したり兵士を適切に検知しなかったりする. また, 女性の名称として不自然な単語を自動で置き換える機能があるが, 変更対象はいくつかの英単語のみなので中途半端である. (バニラの範囲の日本語テキストであればあまり違和感はないとは思う. むしろバニラの訳語のほうが違和感がある)
同じようにツリーを変更せずに女兵士を増やすmodに Treeless Female Troops がある. ツリーを実際に変更する (=途中でmodを外すと不具合が起こる可能性がある) mod には, 剣の乙女ツリーを拡張する Females And Manhunters や男女別に盗賊ツリーを拡張する Bandit Variety がある.
Treeless Female Troops
動作確認バージョン: v1.0.9/本体v1.1.5
日本語: なし, だが支障はないだろう
www.nexusmods.com
政策「市民権」に女性の社会進出を促す効果が追加され, 民兵や新兵に女性兵士が出てくるようになる. ただし, おそらくは見た目だけを変更しているので性能や名前は変わらない. よって他のmodとの併用によっては不自然なことになるかもしれない.
No Big Smiles/NPCの笑顔が口角上げすぎて怖い
動作確認バージョン: v1.1/本体v1.1.5
日本語: 対応が必要な箇所なし
www.nexusmods.com
顔が怖いので修正する.
Useful Skips/いらんから飛ばせ
以前の記事でも言及したが, 再編集に際して改めて取り上げるwww.nexusmods.com
不要なものをいろいろとスキップする. OPのトンカンやるムービーとか, キャンペーン開始時のムービーとチュートリアルとか, キャラクリとか. MCMでスキップする項目を選択できる.
DLSS 3.1 For Bannerlord/アンチエイリアシングの強化
動作確認バージョン: v3.1.1*1/本体v1.1.5
日本語: 対応が必要な箇所なし
www.nexusmods.com
DLSSの最新バージョンを使用できるようにする. ゲーム本体の bin\Win64_Shipping_Client にある同名のDLLを上書きする必要がある. ちなみにM&B2本体のv1.0.xまではDLSSを使用しているとNPCやオブジェクトを強調する輪郭が大きくずれて表示されるバグがあったが, v1.1.0で修正されている. 現状のバナーロードのDLSSはパフォーマンスより輪郭がかなりちらつくことが多いほうが問題な気がする.
Transmog - Cosmetic Equipment/装備を好きな見た目あるいは非表示にする
動作確認バージョン: v2.0.7/本体v1.1.5
日本語: 対応が必要な箇所なし
www.nexusmods.com
実際の装備とは別の装備をプレイ中に表示させたり, 非表示にしたりできる. 見た目は気に入っているがもっと高性能な装備を使いたいという優柔不断な人向けだろう. 今のところ人間の防具にのみ対応している.
気に入った見た目のアイテムを装備した状態で Ctrl+C を押して装備品のデータをコピーし, 装備を変えてからCtrl+Vで見た目のみをコピー元で上書きできる.元の見た目に戻すときは Ctrl+R で, 顔を出したいなどの理由でアイテムを非表示にしたいなら Ctrl+H を押す. 見た目を変更した装備の名前の先頭には <T>という記号がつく.
Realistic Practical Holsters/大剣を背負ってる奴は見掛け倒し
動作確認バージョン 本体/mod: v1.1.5/v1
日本語: 対応が必要な箇所なし
「忍者は実は刀を背負っていなかった」という話は既に知られつつある話だろう. それは忍者でなくても変わらない. 背負っている剣が長すぎると, 容易には抜けなくなるからだ. しかしマウントアンドブレードの舞台であるカルラディアでは大昔から両手剣は背中に背負うしきたりとなっている. あまつさえ, 剣よりはるかに長い槍も同様に背負っており, そして謎の力が働いて背中からするっと抜けてしまう. このようなマウントアンドブレード世界の伝統が不自然だというので, このmodでは剣を装備する位置を変更する. それ以外にも武器の装備位置が変更される. 大まかに言って以下のように変更される.
- 剣は大きさに関係なく腰から提げる
- 投擲槍は抜きやすいよう斜めに掛けるようになる
- 槍は天地逆になり, 脇の下から引き出しやすいように左肩に偏った位置にずれ, バニラの長く飛び出したバランスの悪そうなビームサーベル配置ではなくなる. でもアニメーションは変えてないので上から引っ張り出してしまう.
- 両手斧は同様に右肩に掛けるような配置になる
同じ種類の武器をいくつも装備すると配置がおかしくなることもあるが, 両手斧や槍を複数装備する人はそういないと思うので気にしなくていいだろう. また, 見た目の変更のみなので装備切り替え速度などに影響することはない.
「歴史的に正確」というのなら, 剣を2本以上装備するときは右腰にも分散配置してほしかった.
なお, フォルダ名とランチャー上での表示名は "PracticalHolster" となっており, 配布ページの名前と微妙に違うので分かりづらいことがある.
なお, 配布ページで紹介されてる動画の作者は, 以前にも「背中から抜き差し可能な剣の鞘」と称して明らかに実用的でない代物を作り, 背中に剣を背負うというアイディアに問題があることを示す動画を投稿している.
Ulfkarl Custom Horns/Immersive Battlefieldの音声差し替え
www.nexusmods.comImmsersive Battlefieldで使用されている角笛の音声ファイルを, 作者が自分の角笛を使って収録したリアルな音に差し替える. mod本体に上書きして使用する. フォルダの構造がmod本体と全く同じなので, 手動で上書きしてもいいし, MO2で安全にパッチを当てることもできる. 本来は音声の差し替えにはconfig.xmlの書き換えが必要だが, このmodには書き換え後のファイルが含まれている. 他の設定を全く変えてないなら, そのまま上書きすれば適用されるだろう.
New Villages for Europe/マンネリ化した村マップに新規追加
動作確認バージョン: v1.1.6/本体v1.1.6
日本語: 対応が必要な箇所なし
名前の通り, Europe Campaign Map (ECM) のサブmodとして作られた, 村のミッションマップに新たなものを追加する. ECM が前提なので, ピラミッドとかメテオラとか, 実在する風景を元にしたマップが多い. 最終的に415の村に手を加える予定で, 現在は95個まで完了しているらしい.
River Land Castle/タリヴェル城のマップ変更
ヴランディアのタリヴェル城を, 川沿いの城マップに変更する. ただしv0.7時点では作りかけである. 攻城用のシーン設定もnavmseshも作っていないので, 実質的に機能しない. 文字通り見た目だけの状態である.
Tavern Extended/酒場もアップグレードする
動作確認バージョン: v1.1.6/本体v1.1.6
日本語: 対応が必要な箇所なし
酒場のマップを, 都市の発展に応じて規模が拡大するように変更する. より正確には, 城壁のレベルに対応している. Calradia Extended との互換パッチも用意されている.
Battania Keeps/バッタニアの要塞のマップ変更
動作確認バージョン: v1.1.6/本体v1.1.6
日本語: 対応が必要な箇所なし
バッタニアの要塞の内装を大幅に変える. Tavern Extended 同様に, 城壁レベルに対応して階層が増える.
追記: スタルジア版の Strugia Keeps も登場した. 全勢力に対して作るのだろうか?
お子様ランチみたいな旗を修正する/Banner Fix
動作確認バージョン: v3.1/本体v1.2.7日本語: 対応が必要な箇所なし
www.nexusmods.com
これもベスト100で取り上げたmodであるが, ここでは細かい補足を書いておく. お子様ランチの旗のように固まった旗や, キャンペーンマップ上で常時焼け焦げた旗 (国の滅亡シーンで使われているやつ?) が表示されている問題を修正する. 「旗」はいわゆる軍旗だけでなく, 槍についている小さい旗や房も対象となり, これらもいきいきと動くようになる. しかし, お子様ランチの旗問題は解決方法が複雑ならしく, 2種類のファイルが用意されている. 通常版は旗のアニメーションが適用されるのはプレイヤーの付近だけで, 遠くのNPCが持っている旗は従来どおり固まって表示される. NO LOD版はこの制約を取り払い, 遠くの旗も動くようになる. そのぶん多少計算の負荷が増えるはずなので, 多少要求スペックが上がるかもしれない. どちらか片方のみを使い, 同時に使うことはできない. そして Raise Your Banner の動作には, どちらを使ってもよい.
Culture Diversity Mod/福笑いのような不細工なNPCを改善する
動作確認バージョン: v2.2.1/本体v1.2.7
日本語: 対応が必要な箇所なし
www.nexusmods.com
MB2のNPCの多くはランダム生成される. 容姿もランダムなので, よく福笑いのように無秩序になる. このmodの作者は, カルラディアの各文化のNPC, 特に一般兵士の見た目が「トロールみたいに醜い」ということに不満があった. NPCの容貌を現実世界の文化やエスニシティに対応させ, なおかつ容姿に多様性をもたせることで, より自然な見た目のNPCを生成させるようにしている. 例えば, スタルジアやバッタニアのNPCは古代ゲルマン民族のような顔立ちと大柄な体格になり, 彼らの風習と同じように, 髪も髭も長く伸ばし, そして編むようになる. あるいは帝国勢力は, 古代ローマや中世ギリシャの風習に従い, 髪の毛は短く切り, ガリオスも含め髭を剃るようになる. その他, デルセルトの似合ってない口ひげも修正される.*3
このコンセプトはBetter NPCsと似ているが, v2.2.1時点では名ありNPCの容姿は各国の君主しか設定されておらず, それ以外の領主の顔にはあまりこだわっていない. 逆に, Better NPCsは体格を変更する機能はない. ついでに言うと, 体格にある程度個性が出るように設定されているので, Random Bodies と同等の機能も含まれていることになる. そして, Culture Diversity Modはこれら2つのmodとは異なり, XSLTと使っているので関係ない設定まで上書きすることがなく, 比較的他のmodと競合しにくいという特徴がある*4. そのため, これら2つのmodを使っている人は, このmodへの乗り換えを検討してはどうだろうか. 特に, Better NPCsは最近は更新されていない.
Helmet Hair Cover Tweaks Expanded/髪の毛表示の変な装備を多少ましにする
動作確認バージョン: v1.2.0/本体v1.2.7, たぶんv1.x.x 以降の全てのバージョンでも動作するはず日本語: 対応が必要な箇所なし
www.nexusmods.com
兜を装備した時に, 髪の毛が完全に表示されなくなり不自然に見えることがあるので, 装備ごとの髪の毛の表示設定を修正する.
既に存在する Helmet Hair Cover Tweaksおよびその後継版をさらに改良したものを作ってみた. 既存の2つはアイテムの定義ファイルを丸ごとコピペしているため, 表示と関係ない項目まで上書きしてしまうので, 他のmodとの互換性が低いという問題がある. 実際, RBMを使うかどうかでインストールするファイルを変える必要があるなど, 不便である. 私の作ったものは髪の毛の表示設定以外を変更しないので, そういう問題を気にしなくても良い. ゲーム本体のバージョンが違ってもだいたい動くはずだ. また, いくつかのmodで追加される装備にも対応している. 詳しい話は配布ページに書いてある.
一方で, MB2の髪の毛表示の扱いはかなり雑なので, バニラの装備であっても, 髪型や体型の組み合わせによっては変なところから髪の毛が飛び出していたり, ハゲたりすることがそこそこある. 完璧な見た目にすることはかなり難しい.
追記: 上記の後継版はv3.0からは本体ファイルのコピペを使わなくなったため, 互換性の問題は解消され, 私の作ったmodと同等の仕様となった. よって, 現在は, 両者の違いは個別の設定の違いだけになるため, 好みのほうを使えばよいだろう. 今は私のmodだけが他のmodのアイテムにも変更を加えているので, 私のmodの後にもう一方を読み込んで, バニラの設定だけ上書きするという使い方もできる.
Historical Name Expansion/NPCの名前のマンネリ化を解消する
動作確認バージョン: v1.0.1/本体v1.2.7, たぶんv1.x.x 以降の全てのバージョンでも動作するはず
日本語: 完全対応
www.nexusmods.com
グラフィックやオーディオを改造するといえるのか怪しいが, ゲームバランスに直接影響しない見た目の改善なので含めることにする.
NPC用の名前を新たに大量に追加することで見出しの問題を解決する. 初期配置の主要な貴族たちを除き, MB2のNPCはランダム生成され, この時に名前が所属文化で決まる. しかし, 登場するNPCの数に対して名前の種類がかなり少ないので, そこそこ頻繁に名前がかぶる. 現実の歴史でも, 例えば古代ローマでは, 個人名の種類がとても少なくかぶるのが当たり前だったが, MB2のインターフェースでそんなことをされると誰が誰なのかとてもわかりにくい. そこで, 名前を大量に追加するこのmodを作った. バニラに登場する固有名詞から, 各文化を現実の言語や民族で似ているものに割り当てて, それぞれの言語の人名を加えた. バニラ向けには3000以上の名前があり, 新しい文化を追加する他のmodのいくつかにも名前を追加するため, 合計で7000以上の名前を収録している.
既に似たようなmodはいくつかあることは知っているが, どれも気に入らなかったので自分で作ることにした. 既存のmodはいずれもとても筋の悪い実装であり, 他のmodと併用することが全く考慮されてないし, 案の定というかローカライゼーションも全く対応していない. 加えて, これは個人の好みの問題でもあるが, 追加される名前が気に入らなかった. 現代的すぎたり, 言語が違うためにバニラの人名の雰囲気から浮いているものがとても多かった. 私のmodでは, これらの問題は全て解決している. 追加される人名は, 主に歴史上の記録から集めたため, ほとんどが古代から中世に実際に使われていた人名である.